ミネラルオイル(鉱物油)は危険?メリット・デメリットについて

ミネラルオイル(鉱物油)は危険なの?鉱物油と聞くと、なぜか肌に使用するにはふさわしくない気がしてしまいませんか?

ですが、ミネラルオイルはベビーオイルにも使われるなど、安全性の必要な製品にも利用されています。実際のところミネラルオイルに危険性はあるのでしょうか?

そこでこのページでは、ミネラルオイルの安全性や、メリット・デメリットについて詳しく紹介したいと思います。

まずは、植物性オイル・動物性オイルと同様にミネラルオイルの情報から見ていくことにしましょう。

ミネラルオイルの情報

ミネラルオイルは、石油から得られるオイルで常温では液体の炭化水素の混合物です。現在、化粧品業界で使用されている流動パラフィン(ミネラルオイル)は原料となる石油成分から不純物を除去し、高度に精製しているため、ほぼ純粋な炭化水素といえます。

ミネラルオイルの効果・効能

ミネラルオイルは精製度が高いものは酸化しにくく安定性が高いので、様々な化粧品に使用されます。皮膚に吸収されず膜を張るので、乾燥を防ぎ外部の刺激から肌を守る効果が期待できます。

ミネラルオイルの使用感

ミネラルオイルは非常にのびがよく、軽い使用感。

ミネラルオイルその他の情報

表示名称:ミネラルオイル
INCI:Mineral Oil

生産地:アメリカ、イギリス、日本等

保存性:長い

製造法:石油原油から蒸留や精製などの工程を経て得られる。

単価: 300~500円/kg

使用用途:ベビーオイル、クレンジングオイル、ファンデーション、口紅、リップケア、アイシャドウ、各種クリーム、シャンプー、トリートメントなどに使用されます。

脂肪酸組成: ―

ミネラルオイルのメリットとデメリットについて

ではここからは、ミネラルオイルのメリットとデメリットについて詳しく見ていくことにしましょう。

ミネラルオイルのメリット

ミネラルオイルのメリットは、主に2つ。

価格が安い事と、安定性が非常に高い事が挙げられます。

もちろんこの安定性の高さは、高度に精製されたミネラルオイルに限りますが、日本で使われる化粧品や、ベビーオイルには精製度の極めて高いミネラルオイルが使われています。ミネラルオイルは脂肪酸などを含まないため、酸化しないことがメリットとして挙げられます。

また、ミネラルオイルは分子量が大きいため、肌に浸透することができません。肌に浸透しないということは、肌の上に乗っかって蓋をしているだけの状態ですので悪影響を及ぼしにくく安全性が高いと言えます。

ミネラルオイルのデメリット

ミネラルオイルのメリットで挙げた分子量が大きいという点は、そのままミネラルオイルのデメリットとして考えることもできます。

ミネラルオイルは分子量が大きく肌へ浸透しないため、ミネラルオイル自体が肌に対する良い影響を与えることはありません。植物オイルや動物オイルのような脂肪酸組成がないため、美容効果は全く期待できません。

ミネラルオイルのもうひとつのデメリットは、脱脂力が高いことです。メイク汚れと同時に、肌に必要な油分にまで吸着してしまうんですね。そのため、ミネラルオイルベースのクレンジング剤は乾燥を招きやすいと言われます。

肌に膜をはるという意味では、精製度の高いミネラルオイルはとても優秀です。しかし、私はミネラルオイルをベースにクレンジング剤を作ると、油脂系やエステル類のオイルに比べると脱脂能力が高すぎると感じます。

クレンジングコラム

大手メーカーのスキンケア商品に、ミネラルオイルが使われていて残念な気持ちになったことってありませんか?そこそこのお値段なのに、ミネラルオイルなの?と失望してしまったことがある方もいるかもしれません。

しかし、これは大きな間違いで、化粧品の大手ブランドとなると全世界での安定した使用に耐えられる製品を作る必要があります。夏場は40℃を軽く超える中東の国から、冬場はマイナス数十℃になる雪国など全ての地域で安定して使用できる製品を作る必要があるんですね。

その時に、ミネラルオイルのこの安定性はとても強い力になってくれるのです。

ですので、化粧品は安定性(安全性)を求めてミネラルオイルを使用しているのか、ただ安いからミネラルオイルを使用しているのかを上手く見極めないとメーカーの考えの本質は見えてこないのです。

ミネラルオイルの危険性について

以前(1970年代まで)は鉱物油の精製技術が甘かったため、精製後のオイルに不純物が多く混じっていました。

そのため、その不純物が原因となって油やけなどの悪い影響が出ていました。この不純物が紫外線や温度に反応して酸化を起こしてしまい、色素沈着してしまったんですね。

しかし、現在の精製度の高いミネラルオイルには不純物がほとんど含まれないため油やけなどの心配はいりません。

鉱物油原料のものとして、ワセリンが有名です。ワセリンは皮膚科で処方されるほど安全性が高く、これだけで精製度の高い鉱物油が信頼できるのではないでしょうか?

ミネラルオイル(鉱物油)の危険とメリットデメリットのまとめ

ミネラルオイルは精製技術の低い時代にはさまざまな問題を引き起こしたオイルです。

しかし、現在の技術で作られた精製度の高いミネラルオイルは、とても安定性が高く色々な用途で使用できる便利なオイルです。

鉱物油と聞くと拒絶反応を起こしてしまう方もいますが、現在のミネラルオイルについてはしっかりと評価して選択してあげる必要があると思います。