オレイン酸とは?その効果と注意点について

オレイン酸は血液をサラサラにするなど健康を保つのに重要な成分です。

私たちがよく口にするオリーブオイルやヒマワリ油、ベニバナ油など植物油に多く含まれることで有名ですが、実はナッツ類や肉類、大豆類などにもたくさん含まれています。

今回は、オレイン酸の嬉しい効果と注意点について詳しく紹介していきます。

オレイン酸とは?

オレイン酸は、一価不飽和脂肪酸で植物油などに多く含まれています。

1960年代に行われた世界各国の食生活と疾患に関する調査の結果、地中海沿岸に住む人たちの心筋梗塞の発症率が極めて低いことが分かり、オリーブオイルに含まれるオレイン酸に注目が集まりました。

オレイン酸は、不飽和脂肪酸の中でも安定しており、酸化しにくいという特徴を持ちます。また不乾性油で蒸発しにくく保湿力が高いので、食用としてだけでなく髪の毛や肌の美容・健康維持のために肌に直接塗って使うという活用方法でも愛用されています。

オレイン酸を多く含む植物オイルには、オリーブオイル・アーモンドオイル・アボガドオイル・椿オイル・マカダミアナッツオイルなどがあります。

植物オイルの特徴や脂肪酸組成については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

クレンジングに使われる植物性オイル16選 種類と特徴について

2017.02.15

オレイン酸の美容効果

肌に対する効果

オレイン酸は、美肌を作る特効薬として広く知られています。というのも、人間の肌の皮脂を構成する脂肪酸の中で、最も多いのがオレイン酸です。

皮脂は肌を乾燥や外敵などから守るバリア機能を果たし、皮脂のバランスが崩れることによって乾燥肌や脂性肌になってしまいます。また皮脂が詰まるとにきびや炎症の原因になったり、体臭の原因につながったりします。

皮脂の41%を構成するオレイン酸には皮膚を柔らかくする作用があり、角質のごわつきを防いだり、皮脂つまりを防いだりする効果が期待できます。また、乾燥が起きにくくなるため、しわを抑制する効果もあると言われています。

そのアンチエイジング効果と肌なじみの良さから、乳液や美容クリームなどオレイン酸を含む原料が様々なスキンケア商品に活用されています。

スキンケアにオレイン酸を使う場合の注意点

ニキビの原因菌であるアクネ菌は、オレイン酸をえさにしています。

毛穴詰まりの予防にオレイン酸は効果的ですが、毛穴が詰まった肌に過度なオレイン酸を塗布するとアクネ菌が活発に動き出し、炎症ニキビを引き起こす原因になることがあると言われています。

これについては、オレイン酸とニキビについては必ずしも関係があるわけではないという意見もありますが、現状ではニキビに悩む人(特に若い方)はオレイン酸を肌に残さないように注意しておくのが無難です。

オレイン酸の髪の毛に対する効果

オレイン酸はヘアケアにも効果が期待できます。

髪の毛のパサつきを防ぎ、外部からの刺激を抑えます。髪のキューティクルが剥がれたことによる枝毛や切れ毛などにも効果を発揮してくれます。

髪はキューティクルが剥げると毛の内部の水分が蒸発して髪全体の潤いが無くなって、パサつきや静電気を引き起こし髪にまとまりが無くなります。

そこにオレイン酸を与えると、痛んだキューティクルをコーティングして内部の水分を閉じ込め、潤いとツヤのある髪の毛を作ってくれるんですね。

オレイン酸を食事で摂取した場合の効果と注意点

オリーブオイル

コレステロール値を下げる

脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分かれます。

飽和脂肪酸は動物性食品に多く含まれ、過剰に摂取した場合には、肥満や病気の原因になる中性脂肪やコレステロールの値を増加させることにつながります。

一方でオレイン酸に代表される不飽和脂肪酸は、善玉コレステロールを減らすことなく悪玉コレステロールを減らすことができるので、気になるコレステロール値を下げてくれます。

生活習慣病の予防に役立つ

コレステロールは善玉コレステロールと悪玉コレステロールに分かれます。

悪玉コレステロールは増加することによって、高血圧や動脈硬化、心臓疾患、糖尿病などの生活習慣病を引き起こす原因となります。オレイン酸は、血液中のコレステロールのバランスを整え、適切に悪玉コレステロールを減らしてくれるので、生活習慣病の予防に役立ちます。

動脈硬化を抑制する

オレイン酸が体内に取り込まれると、活性酸素と結びついて過酸化脂質となることを避けるのに役立ちます。

過酸化脂質は、DNAに損傷を与えて発ガンを招いたりアテローム性動脈硬化を引き起こしたりします。オレイン酸の摂取によって発ガンや動脈硬化にともなう心筋梗塞や脳梗塞、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の予防にも効果が期待できます。

胃を健康に保つ

オレイン酸は胃での滞在時間が飽和脂肪酸に比べると短いため、余計な胃酸の分泌を防ぎ、胃もたれや胸やけを引き起こす可能性が少なくなります。そのため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃酸過多症胃炎、胃弱といった病気の予防につながります。

便秘予防

オレイン酸は、腸管の中では吸収されにくく、腸の働きを活性化させる性質を持ちます。便秘の原因の多くは食物繊維が不足することだと考えられますが、ダイエットで油脂を避けることも便秘を引き起こす要因になります。

オレイン酸の持つ界面活性作用により腸内に溜まったものをやわらかくして排便を促すことができるので、便秘予防にも効果が期待できます。

オレイン酸を摂取する場合の注意点

オレイン酸を含む食品を大量に食べることは、カロリーオーバーによる肥満などいくつかの問題を引き起こします。特に肉類は動物性脂肪も含んでいますし、ナッツ類もカロリーが高い食品ですのでバランスを考えて摂取することが大切です。