酸化とは?クレンジングオイル・スキンケアオイルの酸化について

クレンジングやスキンケアにオイルを用いるのは一般的ですが、オイルを使用していると酸化という問題に悩まされる事があります。

オイルはとても壊れやすいため、すぐに酸化してしまいます。この酸化のスピードは、オイルの種類や、製造方法、保管方法によって異なります。

では、なぜオイルは酸化してしまうのでしょうか?詳しく見ていくことにしましょう。

酸化とは?

酸化は日常生活において、いたるところで起こる現象です。

酸化(さんか、英:oxidation)とは、対象とする物質が電子を失う化学反応のこと。具体的には、物質に酸素が化合する反応、あるいは、物質が水素を奪われる反応などである。

酸化-Wikipedia

昔は酸化というと酸素がくっつく反応や、水素が奪われる反応を酸化と言っていましたが、それではつじつまが合わないことが多かったんですね。そのため、現在は物質が電子を失う化学反応のことを酸化と少し広い意味で説明するようになりました。

バナナやリンゴも時間がたつと酸素の影響で茶色くなります。鉄も酸素と反応すると錆びてしまいますが、これも一般的な酸化の形態です。

肌も活性酸素によって酸化させられています。良く肌がサビると言いますが、これは肌が酸化していると言い換えることも出来ます。

身の回りの物も、化学反応によって電子を失うことによって、物質が変化してしまい安定性が崩れることが多いです。そのため、化粧品や食品の酸化はできるだけ防ぐことが大切なんですね。

腐敗とは?

酸化とは対象となる物質が電子を失う化学反応のことですが、腐敗は微生物の作用によって変質する現象の事をいいます。そのため、細かい話をすると酸化と腐敗は別物として扱われるんですね。

酸化するオイルと酸化しないオイル

オイルの中にも酸化するオイルと、酸化しないオイルが存在します。オイルにもいろいろな種類がありますが、この中でも酸化するオイルは動植物から摂れる油脂や、ワックスエステル(ホホバオイルなど)のみです。

ミネラルオイルや、合成エステル、ワセリンなどは酸化することはありません。

なぜ油脂系オイルだけが酸化するの?

では、なぜ油脂系オイルは酸化してしまうのでしょうか?

油脂系オイルが酸化する原因は、不飽和脂肪酸にあります。この不飽和脂肪酸が太陽光(紫外線)や熱の影響によって変質してしまうんですね。

不飽和脂肪酸には、オレイン酸やパルミトレイン酸などがありますが、特にリノール酸は酸化安定性が低いです。各オイルの脂肪酸組成を見ると、ある程度の酸化安定性を判断することができます。

オイルの2段階酸化

油脂系オイルを日常的に使う方は経験があると思いますが、オイルの酸化って一気に進んでしまうと感じませんか?

今までは何ともなかったのに、ある日をさかいにいきなり悪臭を放つようになります。私たちがオイルが酸化したと感じるのは、この時点ですが、実はオイルは2段階で酸化しているんですよ。

そのため、酸化防止剤には一次酸化防止剤と二次酸化防止剤などの種類があります。

一次酸化

一次酸化では、ヒドロペルオキシラジカルが生まれます。この一次酸化の段階では変色や、臭いの変化がないため見た目で酸化に気づくことはないと言ってもいいでしょう。

ただし、色や匂いの変化がないため酸化に気づきにくいですが、一次酸化の時点で肌への影響がでることがあります。肌に合わないと感じるオイルは、一次酸化を疑ってみることも大切です。

二次酸化

二次酸化では、変色が起きたり臭いに変化がでます。油脂は一次酸化で過酸化物(一次酸化物)となり、さらに酸化が進むとアルデヒドやケトン(二次酸化生成物)へと変化します。

通常オイルの酸化に気がつくのは、この二次酸化の段階です。オイルが変色した場合や、香りに変化が出た場合は使用をあきらめましょう。

酸化しやすいオイル

  • アーモンドオイル
  • ローズヒップオイル
  • 馬油

酸化しやすいオイルの特徴として、リノール酸が多く含まれるものや、酸化安定成分が少ないということが挙げられます。

これらのオイルは決して悪いオイルではありませんが、購入する場合保存期間は短くなるということを意識しておきましょう。

酸化しにくいオイル

  • ココナッツオイル
  • シアバター
  • スクワラン
  • ホホバオイル
  • メドウフォームオイル

酸化しにくいオイルの特徴として、リノール酸の含有量が少ない、もしくは、ビタミンEなどの抗酸化成分が多く含まれることが挙げられます。

スキンケアオイル・クレンジングオイルの酸化の安定性は、使われているオイルやトコフェロール(ビタミンE)などの抗酸化成分によって決まります。

各オイルの脂肪酸組成についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

クレンジング剤に使われる動物性オイルの種類と特徴について

2017.02.15

クレンジングに使われる植物性オイル16選 種類と特徴について

2017.02.15

オイルを酸化させない保管方法

開封されたオイルは直射日光や熱などのない涼しい場所に保管しておかないと、すぐに酸化してしまいます。特にオイルは熱によって分子構造や粘性が変化してしまうので、保管温度には気をつけたいところです。

また、光を通さない遮光性の高いボトルに入った物を選ぶことも重要です。

純粋な天然オイルを使用する場合は、なるべく新鮮なものを購入し、適切に保管して、すぐに利用しましょう。こうすることによって、美容オイルの最高の効力や恩恵を受けることができます。

ちょっとめんどうですが、オイルを使う場合は酸化させないよう、保管方法にも気をつけるようにしましょうね。