ニキビのできるメカニズムは人によって変わるというものではありません。
毛穴に皮脂(肌から分泌される油分)が詰まってうまく排出できなくなり、白っぽい膨らみ(ニキビ)となってしまいます。
ですが思春期の時にできるニキビと、大人になってからできるニキビは、できる場所や原因に少し違いがあるんですよ。
ここではそんな思春期ニキビと大人ニキビの違いや対策をお伝えしていきます。
Contents
思春期ニキビの原因は?
思春期ニキビは第二次成長期にできやすいニキビです。12~18歳頃に多く見られるようになり、成長期を過ぎると自然と治まってきます。
ニキビができる場所は人によって違いますが、鼻やおでこなどの皮脂腺(皮脂が分泌されるところ)が多い場所にできやすいのが特徴です。
そんな思春期ニキビができてしまう原因には、次のようなものが挙げられます。
食生活の乱れ
・糖質のとり過ぎ
お菓子や甘いものなどを食べ過ぎていませんか?砂糖は体の中で“遊離脂肪酸”という脂肪に分解されます。この遊離脂肪酸が皮脂の分泌を増やし、ニキビをできやすくしてしまいます。
・脂質のとり過ぎ
ジャンクフードやスナック菓子、脂肪の多い肉類などは油がたくさん含まれています。この油は体の中で“トリグリセリド”という脂肪に分解され、皮脂をつくる材料となり、分泌を多くしてしまいます。
・過度なダイエット
極端な食事制限で栄養が不足してしまうのも、皮脂の分泌を増やしてしまう原因となります。バランスの悪い食事を続けていると、ニキビができやすくなるだけではなく、できてしまったニキビの治りも遅くなります。
睡眠不足
「睡眠不足はお肌の敵!」と良く耳にしますよね?
これは肌にとって大事なポイントで、睡眠が不足すると肌の代謝がうまく行われずニキビもできやすくなります。また、できたニキビも治りにくくなってしまいます。
間違ったスキンケア
洗顔の時に肌をゴシゴシこする、1日に何度も洗顔をするなど、過剰な洗顔はニキビに刺激を与え治りを遅くしてしまいます。
また肌に皮脂が多いのにもかかわらず、油分が多い乳液やローションなどをたっぷりつけてしまうのもニキビを増やす原因に…。
若い方はニキビ対策をしようとスキンケアを頑張りすぎることが多いですが、この頑張りが逆にニキビの原因となってしまいます。
逆に、ついついスキンケアをさぼってしまう。特に夜の洗顔を怠って肌に皮脂を残してしまうのも、ニキビを増やす原因となります。
ホルモンバランスの乱れ
第二次成長期では体の中のホルモンバランスがまだ不安定な時期。そのため、性別問わず男性ホルモンの割合が多くなります。
男性ホルモンは皮脂の量を増やすと同時に、その皮脂の分泌を促す性質を持っているため、自然と皮脂が多くなり、ニキビができやすくなるのです。
遺伝
肌質は遺伝するとも言われています。そのため、生活の乱れやホルモンバランスによって増える皮脂が人よりも多くなる、ということも考えられます。
思春期ニキビの対策法は?
では思春期ニキビが多くなってしまった場合はどうすればいいのか、対策法をチェックしていきましょう!
正しいスキンケアをする
朝と夜の1日2回、丁寧に洗顔を行いましょう。
保湿には油分が含まれていないオイルフリーの化粧品を使うのがおすすめ。またメイクの厚塗りもニキビをつくり、悪化させます。できるだけ避けるか、ナチュラルメイクを心がけましょう。
バランスの良い食事
皮脂の分泌に繋がる甘いものや油っこいものを控えると同時に、皮脂の分泌を抑えるその他の栄養を意識して摂取しましょう。
- ビタミンA…肌の代謝を促し、ニキビの治りを早くします。
- ビタミンB群&ビタミンC…皮脂の分泌を抑え、ニキビをできにくくします。
- ビタミンE…ホルモンバランスを整えます。
- 食物繊維…腸内環境を整えて有害な物質が発生するのを防ぎ、ニキビをできにくくします。
- たんぱく質…肌をつくる元となる成分です。ニキビのできない健康な肌をつくるためには欠かせません。
睡眠をしっかりとる
睡眠時間をしっかりとりましょう。ニキビの修復が早まります。肌の代謝が特によくなる22時~翌2時までに睡眠をとっておくのがベストです。
ホルモンバランスの乱れを整える
ホルモンバランスの乱れは成長期ではどうにもならないことですが、なるべく整える工夫を取り入れることが大切です。
それにはやはり食事や睡眠などの生活習慣を正すこと。またストレスもこまめに発散するようにしましょう。
ニキビを早く治したいからと言って、潰すのはNG!
跡が残って余計に目立ってしまう場合も…。成長期が過ぎホルモンバランスが整ってくると症状が治まるケースがほとんどですから、焦って間違った対策をしてしまわないようにしましょう。
大人ニキビの原因は?
大人ニキビはその名前の通り、大人になってからできるニキビのことを言います。
思春期ニキビが皮脂の多いTゾーン(おでこや鼻)などに多いのに対して、大人ニキビは乾燥しやすい顎や口周りなどにできやすいのが特徴です。大人ニキビの原因には次のようなものが挙げられます。
生活習慣の乱れ
これは思春期ニキビで詳しくご説明した通りです。甘いものや油っこい物の食べ過ぎ、皮膚を健康に保つ栄養の不足、大人の場合はお酒の飲み過ぎもニキビの原因として考えられます。
また社会人に多く見られがちなのが睡眠不足。夜遅くまで起きていると肌の代謝が悪くなり、肌荒れやニキビを引き起こしやすくなります。
ストレス
大人になると増えるのがストレスですね…。
ストレスは自立神経という体のさまざまな機能をコントロールする神経が乱れます。すると今度はその自律神経と同じ場所でコントロールされているホルモンバランスにも乱れが生じます。
そのため皮脂の分泌を増やす男性ホルモンが多くなり、ニキビができやすくなってしまいます。
乾燥
年齢を重ねるにつれて、肌のうるおいを保つ物質が減り、肌を守る機能は弱まっていきます。そのため、思春期の時に比べて肌は乾燥しやすくなります。
乾燥すると肌はうるおいを補うために、自ら皮脂を多く分泌させるため、ニキビができやすくなるのです。このように乾燥によってできてしまうニキビを“乾燥ニキビ”とも呼びます。
大人ニキビの対策法は?
大人ニキビが多くなってしまった場合はどうすればいいのか、対策法をチェックしていきましょう!
生活習慣の改善
思春期ニキビ同様、大人ニキビも生活習慣の改善は必須です。
まずはバランスの良い食事を心がけること。特に大人の場合は次のビタミンを意識してとりましょう!
- ビタミンE…肌の老化を防ぎ、肌の保湿成分がつくられるのを助けます。ホルモンバランスを整える働きも。
- ビタミンA…肌の代謝を促し、ニキビの治りを早くします。
- ビタミンC…皮脂の分泌を抑えます。シミの原因となるメラニン抑制効果も。
この他に睡眠をしっかりとる、ストレスをこまめに発散させるなどしてホルモンバランスを整え、体の内側からケアしていきましょう。
保湿
乾燥ニキビを防ぐにはやはり保湿が大切です。徐々に減っていく肌の水分量を外からしっかり補いましょう。
ただし、極端に油分が多い化粧品や、化粧品のつけ過ぎはかえってニキビを増やしてしまうことにも繋がります。選ぶ化粧品や、つける量には注意が必要です。
大人ニキビのできる原因は人によってがいますが、主に肌の機能の低下やストレス・生活習慣の影響が大きいと考えられます。
ニキビが増えてしまった原因を考えて、自分に合った対策をとることが大切です。
思春期ニキビと大人ニキビの違い まとめ
- 思春期ニキビはTゾーン、大人ニキビはUゾーンにできやすい
- 思春期ニキビは皮脂、大人ニキビは皮脂&乾燥によって起きることが多い
- 思春期ニキビは成長の過程で起きるホルモンバランスの乱れ、大人ニキビは生活習慣やストレスなどで起きるホルモンバランスの乱れが強く影響している
生活習慣やホルモンバランスの乱れがニキビに影響することはどちらも同じです。
塗り薬などで直接対処することも効果的ですが、原因である習慣を見直して内側から改善していくことも大切です。