拭き取りクレンジングのやり方と注意点について

クレンジングの仕方にもいろいろなやり方がありますが、中でも一番簡単にできるのが拭き取りクレンジングですね。コットンやシートでさっと拭くだけ。活用している人も多いのでは?

ですが簡単に落とせるということは、摩擦も起こり使われている成分もそれなりに強力…。

間違った使い方をすると肌荒れに繋がってしまいますので、拭き取りクレンジングの特徴、やり方など、詳しくチェックしておきましょう!

拭き取りクレンジングとは?

まずは拭き取りクレンジングについておさらいしていきましょう。拭き取りクレンジングは名前の通り、メイクを拭き取って落とすクレンジング法のことを言います。

種類は大きく分けて2つあり、あらかじめシートにクレンジング剤が染み込ませてあるタイプと、ローション(水)タイプのクレンジング剤を自分でコットンに染み込ませて拭き取るタイプがあります。

他のクレンジング剤には油分が含まれますが、拭き取り用のクレンジング剤には油分が少ない(あるいはオイルフリー)のものが多いという特徴があります。メイクを落とす成分としては“界面活性剤”というものが使われています。界面活性剤とは水と汚れ(皮脂やメイク)を中和させて落としやすくする成分です。

拭き取り用のクレンジング剤には、この界面活性剤が他のクレンジング剤よりも多く配合されています。そのおかげで拭くだけで簡単にメイクが落ちてくれるのです。

ヨーロッパでは拭き取りクレンジングが主流!?

日本ではクレンジングと言えばオイルタイプやリキッドタイプ、ミルクタイプなどが多く使われていますが、ヨーロッパではこの拭き取りクレンジングが主流なのです。

拭き取りクレンジングのやり方も日本とは異なり、クリームでメイクを浮かせる→拭き取り化粧水をコットンに染み込ませてメイクを拭き取るというの主流です。

では、なぜヨーロッパでは拭き取りクレンジングが主流なのか… その理由には水の質(硬度)が大きく関係しています。

水の硬度とは?

水にはマグネシウムイオンとカルシウムイオンという2つのミネラルが含まれます。この2つが水1000mlの中に溶けている数値を表したものを硬度と言います。世界保健機関(WHO)の基準では硬度120㎎/l以下を軟水、硬度120㎎/l以上を硬水と呼びます。

ヨーロッパの水道からでてくる水は主に硬水です。硬水には利尿作用や便秘解消などのデトックス効果もあり、決して体に悪いものではありません。

ただ、豊富に含まれるミネラルは、クレンジングにはとても邪魔なもので肌のごわつきを招いてしまいます。また、石けんに含まれる成分と合わさると化学反応を起こすこともあります。その結果、石けんがまったく泡立たず、発生した石けんカスが肌に残って肌トラブルの原因となってしまうことも。

そのため、ヨーロッパでは洗顔の必要がない拭き取りクレンジングが多く取り入れられているのです。

拭き取りクレンジングをするメリット

ヨーロッパでは拭き取りクレンジングが主流、とお伝えしましたが、日本ではどうでしょうか。日本で硬度が高い水と言えば一部のミネラルウォーターくらいで、他の販売されている水や水道水はもちろん、ほとんどが軟水となっています。

つまり洗顔時に水でトラブルが起きることはなく、日本では拭き取りクレンジングでなければいけない理由はありません。

ただ、拭き取りクレンジングには使いやすさや手軽さなどのメリットがあり、利用している人も多くいます。拭き取りクレンジングのメリットについて、もう少し具体的にみてみましょう。

どこでもクレンジングできる

例えば旅行中や仕事中、移動中など、クレンジング剤でしっかり洗い、水ですすぐという工程が出来ない環境でも、拭き取りクレンジングなら手軽にメイクを落とすことができます。シートタイプなら持ち運びもしやすく、どこにでも携帯できるので非常に便利です。

手早くメイクを落とせる

時間をかけずにメイクを落とせるのも拭き取りクレンジングの魅力です。例えば、短時間でメイク直しをしたい、少しでも早く就寝したい…など。すぐにメイクを落としたいときには重宝します。

保湿ができる

拭き取り用のクレンジング剤(またはシート)には保湿成分が含まれているものも多いです。その場合、クレンジングもでき、さらに洗顔や保湿の手間も省くことができるというメリットがあります。

拭き取りクレンジングをするデメリット

手軽、便利というメリットを持つ拭き取りクレンジングですが、残念ながらデメリットも多くあります。肌トラブルのリスクを減らすためにも、良くない点もしっかり把握しておきましょう!

摩擦が起きやすい

拭き取りクレンジングは、シートやコットンなどでメイクを拭き取り落とします。そのため、他のクレンジング剤よりも肌に摩擦が起きやすいというデメリットがあります。

肌への摩擦は皮膚にダメージを与え、乾燥や肌荒れの悪化に繋がります。

刺激が強い

拭き取り用のクレンジング剤やシートには、簡単にメイクを落とすために界面活性剤を多く使っています。界面活性剤はメイクや汚れを落とすためには欠かせない成分です。ただ、刺激も強く、たくさん配合されているクレンジング剤は洗浄力が高い代わりに肌に負担をかけやすくなります。

うるおいをキープるために必要な適度な皮脂や、肌の内側にある保湿成分まで落としてしまう可能性があるのです。また拭き取り用のクレンジング剤に多く配合されるアルコール(エタノール等)も強い刺激となる場合があります。

拭き取りクレンジングの正しいやり方

手軽で取り入れやすい拭き取りクレンジングですが、肌に負担をかけやすいクレンジング法でもあります。乾燥、赤み、痒み、ニキビなどの肌トラブルを引き起こさないためにも、行う場合は正しいやり方を意識しましょう!

①クレンジング剤をコットンにつける
クレンジング剤をコットンに染み込ませます。この時たっぷりと、多めに染み込ませるのがポイントです。クレンジング剤の量が少ないと摩擦も強くなり、肌に負担がかかってしまいます。できればコットンも柔らかいものを使いましょう。

②メイクを拭き取る
拭き取るときは撫でるように優しく拭き取ります。目元や口元の濃いポイントメイクにはコットン(シート)を5~10秒ほど置き、クレンジング剤をよく馴染ませてから下方向に滑らせるように拭き取ります。

ポイントメイクは先に落としておき、アイラインなどはコットンの淵を使うか、綿棒などを使ってうまく拭き取りましょう。

拭き取りクレンジングの注意点

ではここからは、拭き取りクレンジングの注意点を見ていきましょう。

ゴシゴシ擦らない

強く擦ると摩擦がより強くなります。優しく拭き取ることを意識し、ポイントメイクが落ちにくい場合はリムーバーなどで落としましょう。

常用しない

拭き取りタイプのものは、クレンジング剤の中でも特に刺激が強いです。出かけ先や帰宅が遅くなった時など、丁寧にケアできないときだけ利用することをおすすめします。

油分の入っているものは洗顔を!

「洗顔不用」のクレンジング剤(シート)でも、油分が使われているものはクレンジング後に洗顔することをおすすめします。また拭き取ったあとに肌がつっぱる、乾燥が気になるという場合は化粧水などでしっかり保湿しましょう。

保存方法に注意

シートタイプは保存方法にも注意しましょう。特に暑い時期には要注意!中で菌が繁殖したりカビが発生する可能性もあります。涼しい場所で保管し、封を開けたらなるべく早く使い切るようにしましょう。

拭き取りクレンジング、使う頻度は少なめに!

ヨーロッパなどでは主流である拭き取りクレンジングですが、刺激が強いクレンジング法のため良質な水で顔を洗うことのできる日本では毎日のケアにはあまりおすすめできません…。

行うのはしっかりとクレンジングができない場合にとどめ、時間や余裕があるときは他のクレンジング剤で丁寧にメイクを落としましょう!